流通量世界一の金貨
カナダ王室造幣局が1979年から発行を開始したメイプルリーフ金貨は、流通量が世界一の金貨と言われています。以前は南アフリカのクルーガーランド金貨が市場で多く流通していましたが、アパルトヘイトに抗議する為、南アフリカ製品へのボイコットが巻き起こり、金貨の流通量が減少、代わりにカナダのメイプルリーフ金貨が市場で存在感を強めていきました。
通貨としても使える?
メイプルリーフ金貨はカナダ政府が純度99.99%以上を保証する金貨です。また法定通貨でもあるので、額面通りのお金として使用することも可能です。しかし、2023年7月現在、1カナダドルは107円前後ですので、金としての市場価格が額面よりもかなり高く、通貨として使用することは現実的ではありません。
トロイオンス | 額面 | 金品位 | 重量 | 直径 | 厚さ |
1oz | 50カナダドル | K24 | 31.1g | 30㎜ | 2.8mm |
1/2oz | 20カナダドル | K24 | 15.5g | 25㎜ | 2.2mm |
1/4oz | 10カナダドル | K24 | 7.7g | 20㎜ | 1.7mm |
1/10oz | 5カナダドル | K24 | 3.1g | 16㎜ | 1.2mm |
1/20oz | 1カナダドル | K24 | 1.5g | 14㎜ | 0.9mm |
宝石や貴金属の計量に用いられる単位である1トロイオンスは約31.1g(正確には31.1034768g)です。ちなみにですが、常用オンスという重さを示す単位もあり、こちらは1oz=約28gです。Tシャツやパーカー、デニム等でよく見かけます。
カナダと金
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
1 | 中華人民共和国 | 330 |
2 | ロシア | 320 |
3 | オーストリア | 320 |
4 | カナダ | 220 |
5 | アメリカ | 170 |
資源大国のカナダでは金の生産も盛んです。カナダ国内での金の産出量は世界トップクラスですが、さらに世界中の鉱山にもカナダ企業は進出しています。金の産出が多いという点もメープル金貨の流通量世界一を支える要因なのかもしれないですね。
金貨のデザイン
メープルリーフ金貨のデザインは発行年により異なりますが、基本的には、表面にエリザベス2世の肖像、裏面にメープルリーフ(サトウカエデ)が浮き彫りされています。カナダはイギリス連邦加盟国の1つですので、イギリス国王(女王)が国家元首です。その為、エリザベス2世の肖像が金貨のデザインに採用されています。また、サトウカエデはカナダ国旗にも使用されている、カナダを代表する木で、その樹液を煮詰めたものがメープルシロップとなります。
メープルリーフ金貨のデザイン変遷
1979~89年頃
ガールズ・オブ・グレート・ブリテン・アンド・アイルランド・ティアラ(Girls of Great Britain and Ireland Tiara)を身に着けたエリザベス女王の横顔です。
1990年~1999年頃
ステイト・ダイアデム(State Diadem)を身に着けた姿です。
裏面には1999年の発行20周年を記念した刻印や2000年のミレニアムを祝う刻印があります。
2004年頃~
メープルリーフ金貨発行25周年を記念したデザインです。
2023年
2022年の崩御を追悼するデザイン。
2015年頃から円心から円周に向かう直線がデザインされています。
まとめ
今回は流通量世界一の金貨・カナダのメープルリーフ金貨を調べてみました。。日本国内では、一部海外メーカーのインゴットの買取がされないケースもありますが、メープルリーフ金貨はそのような事はまずありません。純度の高い金貨であると世界的に認められている安心感が流通量世界一の金貨を支えています。