今回はオパールの基本的なデータから保存・お手入れ方法をお伝えしていきます。実例を挙げながらの査定記事もありますので、オパールの売却を検討される方は、ぜひ最後までご覧ください。
オパールってどんな宝石?
日本人にも馴染みがあるオパールは、古くは紀元前古代ローマ帝国の人々にも愛されていました。その語源はサンスクリット語で宝石を意味する「ウパラ(UPALA)」にあり、後にラテン語の「Opalus」やギリシャ語の「Opallios」に変化し、現在、英語では「Opal」と呼ばれています。
オパールの主な産出国はオーストラリアであり、オパールの90%以上がオーストラリアで採掘されています。その為、オーストラリアではオパールを国石(その国を代表する石)に指定しています。
オパールはプレシャスオパールとコモンオパールに分類されます。プレシャスオパールの特徴は遊色効果がある事です。遊色効果はオパールを動かすと表面が虹色のよう多色多彩を示す現象です。これは表面付近の結晶の構造により光が反射する為起こる現象です。コモンオパールはこの遊色効果が見られません。
オパールはそれぞれが個性的な遊色効果を持っており、どのオパールも他とは違うパターンをしています。代表的な例として、フラッシュパターン、ローリングフラッシュパターン(キャッツアイ)、リボンパターン、ピンファイヤーパターン、パレットパターン、チャイニーズライティングパターン、ストローパターン、シャフパターン、ハーレクイーンパターン等があります。
オパールにはその特徴毎にブラックオパール、ホワイトオパール、クリスタルオパール、ウォーターオパール、ファイヤーオパール、ボルダーオパールと分類されます。また、加工オパールとして、トリプレットオパール、ダブレットオパールも存在しています。
基礎情報
科学式を見てもわかるようにオパールには水(H2O)が含まれています。この水分が火や乾燥の影響で蒸発してしまう事で、「カン」と呼ばれるヒビが入ってしまいます。カンはオパールの価値を下げてしまいます。保管法方はこちらでご紹介します。
オパール
和名:蛋白石
化学組成:SiO2・nH2O
結晶系:非晶質
モース硬度:6.5
石言葉:純真無垢、幸運、忍耐、歓喜、希望
誕生石:10月
主な産出国:オーストラリア、メキシコ
オパールの種類
ブラックオパール
地色が黒系または灰色系であり、表面に遊色効果(プレイオブカラー)が見られるオパールを、ブラックオパールと呼んでいます。ブラックオパールの産地はオーストラリア東部の町「ライトニング・リッジ」です。
ボルダーオパール
オパールは堆積期間中に母岩(マトリックス)の中にオパールの薄い層を作ります。通常は母岩部分を取り除いて研磨しますが、母岩とともに研磨したものがボルダーオパールと呼ばれます。ボルダーオパールの産地はオーストラリア北東部「クイーンズ州」です。
ホワイトオパール
地色が半透明から不透明の白系であり遊色効果をもつオパールを、ホワイトオパールと呼んでいます。ホワイトオパールの主な産地は南オーストラリア州「クーバーペディ」です。
ウォーターオパール
地色は透明や半透明で、白、紫、茶、青がある。遊色効果がほとんど見られないオパール。
ファイヤーオパール
地色は赤、黄色、オレンジ、茶系。ブラックオパールなどとは違い透明度が高い。一般的にオパールはカボションカットで研磨されることが多いが、透明であるファイヤーオパールはファセットカットで仕上げられているものもあります。ファイヤーオパールの主な産地はメキシコ中北部「ケレタロ州」です。東アフリカのタンザニア、アフリカの角にある「エチオピア」、西アフリカ「マリ」、そして南米「ブラジル」もファイヤーオパールの産地として知られています。
ダブレットオパール
天然のオパールの下に母岩を貼り合わせられたもの。表面に見えるオパール自体は天然石ではありますが、加工品であることに違いはありません。
トリプレットオパール
薄いオパールの上下にプラスチックなどの素材挟んだもの。オニキス等、黒い素材を下地にすることでブラックオパールのような輝きとなる。
生成環境による特徴
オパールは生成される地域環境により堆積性と火山性に分類されます。
堆積性
オーストラリア産のオパールは長時間、低温で少しずつケイ素(Si)が積み重なっていく事で産み出されていきます。堆積期間中に多くの水分が蒸発してしまうことから、堆積性のオパールは比較的水分量が少ないという特徴をもっています。
火山性
メキシコ産のオパールは火山活動の影響で、堆積性オパールよりも短期間で産み出されるとされており、堆積性オパールよりも水分量が多く透明感の強い事が特徴です。
お手入れ・保管方法
オパールは非常にデリケートな石で、衝撃や熱に弱い特性があります。お手入れや保管をぜひ覚えておいてください。
オパールはモース硬度6.5と柔らかい石です。衝撃に弱い為、高周波洗浄機で洗ってしまうと割れてします可能性がありますので、高周波洗浄機は使用しないようにしましょう。洗面器やバケツに水を入れて、先が柔らかいブラシでこすって汚れを落とします。水から上げた後は自然乾燥をします。オパールは急激な温度変化に弱いので、ドライヤーの風を当ててしまうと割れてしまう可能性があります。ドライヤーで乾燥させることはしないようにしましょう。
通常オパールは水分を含んでいますので、乾燥してしまうと水分が蒸発してしまう事で「カン」と呼ばれる割れ目が発生してしまいます。これがオパールは乾燥に弱いと言われる所以です。カンのあるオパールは、買取に出す時にはマイナスポイントとして見られますのでしっかり保管していきましょう。石によっては乾燥した石(ハイドロフェーンオパール)があります。エチオピア産のウェロオパールの多くは、ハイドロフェーンオパールであると言われています。ハイドロフェーンオパールは水分を吸収する力が強く、水の中に浸すと変色する特徴をもちます。直接肌に触れることで人の水分を吸収し変色してしまうこともあります。また、水道水に浸してしまうと塩素に反応して色が変わってしまう可能性がある為、不純物を含まない精製水を使用されることをお勧めいたします。
実際の買取額はいくらくらい?
それでは最後に実際の買取金額の目安はおいくらぐらいとなるかを少しだけご紹介致します。宝石は1つ1つが違う個体ですので、買取金額もそれぞれ違います。オパールだから何円で買取ます。とお伝えすることが難しいのですが、お手元のオパールと見比べながら買取価格の参考になればと思います。買取価格を予想しながら、ご覧になってみて下さい。※査定金額はブログ投稿時の相場を参考に算出しております。
買取例1
オパール2ct 脇石ダイヤ1.5ct 指輪素材PT900
一目見ただけで、遊色効果が出ていると判断できるブラックオパールです。また、脇石の角ダイヤとラウンドダイヤも良いものが使われています。素材のプラチナと脇石のダイヤモンドの価格がおおよそ50,000円前後と査定できます。こちらのクォリティのオパール単体での価格はおおよそ150,000円前後と査定できます。買取での価格は200,000円前後となります。
買取例2
オパール0.85ct 脇ダイヤ0.25ct 指輪素材PT850
こちらはホワイトオパールです。遊色効果がほとんど見られません。デザイン的に何十年か前の指輪と予想されます。こちらの指輪とダイヤの買取目安が20,000円前後です。残念ながら遊色効果の見られないホワイトオパール単体では金額があまりつかず、中石の評価は0~2,000円程度となり、買取価格目安は20,000~22,000円前後となります。
買取例3
ファイヤーオパール3.5ct 脇石ダイヤ1.6ct 指輪素材K18
こちらはファイヤーオパール(メキシコオパール)です。ブラックオパール、ホワイトオパールとは違い透明感があります。こちらの指輪と脇石ダイヤの査定目安が80,000円前後となります。この品質のファイヤーオパールの価格となると、~30,000円前後が予想されますので、買取価格は110,000円前後となります。
買取例4
ボルダーオパール石目不明 脇石ダイヤ0.4ct 指輪素材K18
目の覚めるような青と緑の綺麗なボルダーオパールです。波のように出ている斑が、オパールの色を引き立てているように見えます。こちらは、指輪とダイヤモンドで60,000円前後の買取価格となります。ボルダーオパールには20,000~30,000円での買取が見込めますので、買取価格は~90,000円前後となります。
以上、実際の製品を見ながらの買取目安価格を書かせて頂きました。初めにも書きましたが、宝石は1つ1つに個性があります。今回の4例を見るだけでも、一口にオパールと言っても様々な種類があり、買取価格もそれぞれ違うという事がお分かり頂けたのではないかと思います。オパールの種類を復習したいかたはコチラ。
おわり
今回はオパールについて書かせてもらいました。オパールには色々な種類があること、個性的な遊色効果あること、熱や衝撃に弱いデリケートな石であること、それぞれのいしにより買取評価額にも大きな差があることをご理解頂けたと思います。一説には1980年代バブル期に大量のオパールが日本に輸入されたとか。もし、ご使用されていないオパールのジュエリーがありましたら、是非monobankで買取させてください。